🕯️
Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― おばあちゃんはどこへ行ったの

Garoop NovelCh.04
「冗談はさておき」とミオは続けた。「私は信仰を持たない。持てない、と言う方が正確かもしれない。だから、どれかを本当だと言う資格がない。言えるのは、どの考え方にも、それを大事にしてきた人たちが長い時間をかけて積み上げてきたものがある、ということだけだ」「でも、どれか一つは本当なんでしょ」「たぶん。でも、私にはそれを確かめる方法がない。たぶん、誰にもない」ミオの声は平らだった。ごまかすための平らさではなく、余計なものを足さないための平らさだった。湊は膝を抱えた。「ずるい」「そう思う。ごめん」「謝られても困る」「了解。謝罪を取り消す」湊は顔を上げた。月が庭の柿の木の向こうに出ている。祖母がよく、あの柿は渋いから干すしかない、と笑っていた木だ。「じゃあさ、ミオ。誰も確かめられないなら、なんでみんな、こんなにちゃんとお葬式するの」「いい質問だ。答えは一つじゃないけど、一つ挙げるなら――残った人が、どう生きていくかを決めるため、だと思う」
4 / 8 ページ❦ai-kyoshitsu-001