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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 宇宙の端っこ

Garoop NovelCh.07
午後、コールはブースに戻る前に、ひとつだけ仕事をした。映ってしまったログの持ち主である子供の学童に、電話をかけたのだ。名前は誰にも見えていなかった。だが、彼女はそれを理由にしなかった。学童の先生に事実を伝え、保護者への説明を頼み、自分の謝罪の言葉を短く添えた。それから、開発用のテスト画面を、その場で設定ごと削除した。「オフラインのときは、何も映さない」と彼女はノートに書いた。「黒い画面のほうが、まだ正しい」ブースには、午前のステージを見た人たちが列を作っていた。トイカケを試したい家族。取材をしたい記者。そして、大手企業の担当者が数人。そのうちのひとりが、私に名刺を差し出しながら言った。「あの場面で、テザリングを使わなかった理由を聞きました。うちの社員でも、たぶん繋いでいます」「彼女は繋ぎません」と私は答えた。「繋いではいけない理由を、先に考える子なんです」担当者は感心したように何度もうなずき、帰り際にもう一度、ブースの小さな模造紙を振り返った。
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