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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 二票差の冬

Garoop NovelCh.05
投票日の朝、体育館で立会演説会が開かれた。候補者は一人二分。コールの順番は三番目、汐里の次だった。汐里の演説は、声が少し震えていた。それでも最後まで言い切った。『一年生が泣いていたら、すぐ声をかけられる学校にしたいです』。拍手が起こった。コールは壇上に上がり、マイクの高さを直した。私は保護者席の後ろから、それを見ていた。祖母が隣で、手を膝の上で固く組んでいた。「コールです」と彼女は言った。「最初に、公約と関係ないことを言います。三日前、汐里さんの、うその画像が回りました。生成AIで作ったものです。汐里さんは、プリンを十個も食べません。私が知っている限り、一個も残しません」体育館に、小さな笑いが走った。張りつめていた空気が、少しだけ緩んだ。コールは笑いが引くのを待ってから続けた。「笑えるうそでも、うそはうそです。誰かを選ぶときに、うそを混ぜないでください。私に入れてほしいとは言いません。どう選ぶかだけ、お願いします」
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