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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 二票差の冬

Garoop NovelCh.08
それから何年かが経った。この記録を書いている今、コールはもう十歳ではない。トイカケは長崎の外にも広がり、模造紙の三行は、少しも書き換えられないまま、どこかの事務所の壁に貼ってあると聞く。私は担当を外れ、彼女に会う機会も減った。それでも、ときどき思い浮かべる。高校の制服を着た彼女を。どこかの会議室で、自分より何十歳も年上の大人たちを前に、『作りません』と言う彼女を。誰かが困っている場で、ちょうどいい冗談をひとつ置いてから、本題に戻る彼女を。どんな場面でも正しくあり続けられる人は、本当に少ない。考え、決め、取り組み、そして人前でどう振る舞うか。張りつめた空気の中でも頭は冷えたまま、必要なときだけ、笑いをひとさじ。その分量まで含めて、彼女の判断は確かだった。十歳のコールは、正しいことを、正しいやり方で行える子だった。だから私は今も、彼女がどんな大人になっていくのかを、楽しみにしている。ノートの最後のページは、まだ白いまま残してある。続きを書くのは、もう私ではないのかもしれない。
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🎉🎉 最後まで読んでくれてありがとう!