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Garoop Novel

ガル軍曹の起業塾

ガル軍曹の起業ブートキャンプ ― 嵐の夜間演習

Garoop NovelCh.02
二十一時十二分。体育館の照明が、ばつんと音を立てて消えた。一瞬の静寂のあと、誰かの悲鳴と、窓を叩く雨の音が同時に押し寄せた。タブレットの画面だけが、暗闇の中にぽつぽつと白く浮かんでいる。「Wi-Fi、切れた」「AI、動かない」「ねえ、これどうすんの」。湊の声も、思ったより上ずっていた。この五日間、困ったらまず画面に聞いてきた。その画面が、何も答えなくなった。そのとき、懐中電灯の光が一本、まっすぐ床を照らした。「全員、その場に座れ」。軍曹の声は、昼間とまったく同じ高さだった。それだけで、体育館の空気が少し落ち着いた。「各分隊、状況報告。結論から」。第三分隊では、紗良がいちばん早かった。「停電。回線なし。タブレットの電池は、平均で三割です」「判断は」。紗良が湊を見た。湊は三秒、目を閉じた。焦りで頭の中がざわざわしている。けれど、軍曹の声の高さを思い出して、自分の声を一段低くした。「タブレットは、写真を見るときだけ使います。資料は紙で作ります」「よろしい。始めろ」
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