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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― ダンゴムシ作戦

Garoop NovelCh.03
十四時三十三分。揺れが止まった。ホールは薄暗く、雨の音だけが妙に近い。柴田はすぐには立たせなかった。余震の可能性。落下物の確認。「そのまま。顔だけ上げろ。班長、手を挙げろ」暗がりの中で、六本の手が上がった。「班長は自分の班の人数を数えて、報告。Aから」「Aはん、五人、ぜんいんいます」「Bはん、五人、います」結衣の声だった。震えているが、はっきりしていた。C、D、E。そして、Fの班長の声が詰まった。「Fはん……四人です。颯太くんが、いません」柴田の胃が冷たくなった。「最後に見たのは」「トイレ、行くって。地震の、ちょっと前」ホールの外、廊下の突き当たりのトイレ。距離にして四十メートル。柴田は判断を急いだ。ここには二十九人の子供と、スタッフが三人。自分が抜ければ、残りを森下と、受付の年配スタッフの二人で動かすことになる。森下は、まだ顔が真っ白だった。「森下」「はい」「深呼吸を一回。それから俺の目を見ろ」森下が言われた通りにした。「お前が、今からこのホールの指揮官だ」
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