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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― 赤い空の群れ

Garoop NovelCh.06
十五時十八分。東のゲートまで、あと半分というところで、ガルちゃんは足を止めた。草むらの陰に、年寄りのメスが一頭、うずくまっていた。去年、後ろ足を痛めたエルシーおばあちゃん。跳ぼうとして、跳べずにいる。煙の向こうで、西の林の上の空が、赤く光りはじめていた。風が、回りはじめている。ガルちゃんは、エルシーの前でしゃがんだ。ポケットには、お兄ちゃんがいる。エルシーを支えて歩けば、間に合わないかもしれない。置いていけば、自分とお兄ちゃんは間に合う。考えている時間は、たぶん十秒もなかった。「行きなさい」エルシーが言った。「あんたには、守るものがあるだろう」ガルちゃんは首を振らなかった。頷きもしなかった。代わりに、空を見て、耳を澄ませた。エンジンの音。マギーのトラックが、ゲートを開け終えて、こちらへ戻ってくる音。ガルちゃんは立ち上がり、トラックに向かって跳んだ。荷台の横で、何度も何度も地面を打った。どん、どん、どん。マギーが窓から顔を出し、草むらを見て、すぐに理解した。「――エルシー。わかった。あの子は、あたしが運ぶ」
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