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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― 赤い空の群れ

Garoop NovelCh.07
十五時二十二分。群れは川べりの防火帯にたどり着いた。黒く焼けた草地。前の日にマギーたちがわざと燃やしておいた場所で、もう燃えるものは何も残っていない。四十頭が、浅い川の水に足をひたして身を寄せ合った。少し遅れて、マギーのトラックが着いた。荷台には、毛布にくるまれたエルシーが乗っていた。マギーが荷台から降ろすと、エルシーは三本の足でよろよろと水辺まで歩き、ガルちゃんの隣にうずくまった。何も言わなかった。言わなくてよかった。西の空が、真っ赤に燃え上がった。さっきまで群れが向かおうとしていた林が、炎の壁になっていた。風は、マギーの無線が言った通りに回っていた。群れの長が、その炎を長いあいだ見つめていた。それから、ガルちゃんのほうを向いて、何も言わずに、また炎へ目を戻した。マギーが、ガルちゃんの横にしゃがみ込んだ。煤だらけの顔で、彼女は鼻歌を歌いはじめた。いつも通り、少しだけ音程の外れた鼻歌だった。ガルちゃんは、そのとき初めて気づいた。マギーの手が、ずっと震えていたことに。震えたままで、彼女は一度も、判断を間違えなかったのだ。
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