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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 嵐の夜の臨時会議

Garoop NovelCh.02
九時三十一分、洋館の二階に明かりが灯った。霧島は濡れたレインコートを椅子の背に掛け、議長席に座った。徒歩十二分の距離を、横殴りの雨の中を歩いてきたらしい。波多野宗一郎、円城慈道、佐伯ミナトは、それぞれ自宅から壁の大きな画面に映っている。画面の右下には、ひなたと、隣に寄り添う母親の顔があった。ひなたの目は真っ赤だった。霧島が言った。「報告」ガルちゃんが立ち上がる。「漏れたのは利用者名簿。二百十三名分。項目は氏名と電話番号。住所と支払い情報は含まれていません。公開状態になった時期は不明。SNSへの投稿は約一時間前。現在、拡散は数十件程度です」「原因」「共有ファイルの公開範囲の設定ミスと思われます」「了解」霧島は画面の中のひなたを見た。叱る目でも、慰める目でもなかった。「小野寺。今から三つのことをやる。まず止血。次に連絡。最後に説明。順番を変えるな。分かったら『了解』と言え」ひなたは一瞬ぽかんとして、それから小さく言った。「……了解」声はまだ震えていたが、さっきよりも芯があった。
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