Vol.01
コールの記録 ― 九分間の面談
雨の長崎、未来ファンドの面談に現れた十歳の少女コール。答えを出さない生成AIを掲げ、「売れる」提案を静かに断る。担当者の私は、その九分間から彼女の記録をつけ始めた。
Garoop Bunko · 書架
十歳の起業家、軍隊式の合宿、緊迫の十分間、そしてカンガルーのガルちゃん。正しいことを、正しく行う人たちの小説を、夜の文庫に並べました。
雨の長崎、未来ファンドの面談に現れた十歳の少女コール。答えを出さない生成AIを掲げ、「売れる」提案を静かに断る。担当者の私は、その九分間から彼女の記録をつけ始めた。
「かみさまは、ほんとうにいるの?」――トイカケのAIが子供に返した一言が、ある家の信仰を傷つけた。さらに届く対話ログの買収話。十歳の起業家は、子供の言葉と他者の信じるものをどう守るのか。
東京の展示会、三百人の前でのデモ中に回線が落ち、映ってはならない子供のログがスクリーンに。凍りつく会場で、コールはケーブルを抜き、短く指示を出し、ひとつの冗談を置いた。
児童会選挙に推されたコール。勝つためにトイカケのログを使えという誘い、ライバルを笑うAIの偽画像。「私に入れてとは言いません」――十歳の政治観と、数年後の彼女を想う最終巻。