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Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― 二十八対三の学級会

Garoop NovelCh.07
沈黙を破ったのは、意外にもナディアだった。ナディアは席を立ち、まっすぐ大翔を見た。「わたしです。豚肉を、食べられません」教室の何人かが息をのんだ。湊は思わずナディアを見た。言わなくていいと決めた条件を、ナディアは自分で破ったのだ。「理由は、家の決まりです。でも、わたしのために、カツカレーをやめてほしいわけじゃありません。みんなが、決め方をちゃんと考えてくれるなら、わたしはそれで十分です」大翔はしばらく黙っていた。それから、頭をがりがりと掻いた。「……なんだよ。それ、先に言えよ」「言いにくかったんです」「そっか。……ごめん」条件の採決は、三十対一だった。一票は大翔だった。大翔は手を挙げたまま言った。「条件には反対。でも、決まったら従う。チキンカツなら俺、最強のやつ考える」教室に笑いが起きた。湊は議事録に、反対一、理由あり、と書き込んだ。少数意見を消さずに残すこと。それも、決め方の一部だと思った。
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