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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 宇宙の端っこ

Garoop NovelCh.05
「ごめんね。うちのAI、いま、宇宙の端っこを探しに行っちゃった」男の子がきょとんとした。一拍おいて、客席の前のほうで、誰かが小さく笑った。コールは立ち上がり、客席に向き直った。「正直に言います。今、会場の通信が切れて、予備の画面に、テスト用の子供のログが映りました。名前は出ていません。でも、映るべきではないものでした。私の設定ミスです。すぐに消しました」ざわめきが止まった。彼女は一度、言葉を切った。「このあとの四分は、AIなしでやります。トイカケは、もともと、問いを小さくする道具です。機械がなくても、やり方は同じです」それから、また男の子の前にしゃがんだ。「宇宙の端っこって、どんなものだと思う?」男の子は少し考えて、「かべ?」と答えた。「壁なら、その向こうには何がある?」「……もうひとつのうちゅう?」客席から、今度ははっきりした笑い声と、小さな拍手が起こった。笑いの位置が、ちょうどよかった。事故を笑ったのではない。張りつめていたものが、正しい場所でほどけた笑いだった。
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