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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 二票差の冬

Garoop NovelCh.07
帰り道、坂を上りながら、私はコールに聞いた。「悔しい?」「少し」と彼女は答えた。「二票なら、湊の言うとおりにログを使っていたら、勝っていたかもしれません」「後悔してる?」「してません」即答だった。「勝つためにやったら、勝ったあとに、みんなの前で胸を張れません。副会長になって、毎朝『私はみんなの言葉を勝手に使いました』と思いながら朝礼に立つのは、嫌です」坂の途中で、彼女は立ち止まった。眼下に港が見えた。冬の澄んだ空気の中で、造船所のクレーンが、夕日に赤く染まっていた。「それに」とコールは言った。「三位でも、当番は作れます」ガルちゃんが、ポケットのベビーを揺すりながら追いついてきた。「選挙、どうだった?」「負けた」「そっか。じゃあ、今日のおやつはプリン十個だね」コールは吹き出した。この一年で、彼女が声を上げて笑うのを見たのは、たぶん初めてだった。「一個で、いい」と彼女は言った。「残さず食べるから」
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