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Garoop Novel

ガル軍曹の起業塾

ガル軍曹の起業ブートキャンプ ― 卒隊式と未来ファンド

Garoop NovelCh.08
夕方、佐世保の港で、子供たちはそれぞれの迎えの車や船に散っていった。ガルちゃんは岸壁に立ち、一人ひとりを見送った。ポケットの中で、ベビーが眠そうに鼻を鳴らす。最後まで残っていたのは、紗良だった。母親の車が遅れているらしい。「軍曹……じゃなくて、ガルちゃん」「なあに」「一日目、わからないって言うのがいちばん難しいって言ったでしょう。あれ、本当でした」。ガルちゃんは何も言わず、紗良の頭にそっと手を置いた。どんな場面でも、ずっと正しくふるまい続けられる人は、大人の中にだってそう多くはない。何を信じ、どう考え、どこで踏みとどまり、どんな顔で人と向き合うか。嵐の夜にも声を落ち着かせ、ここぞというところで小さな冗談をはさむ。紗良は、そのさじ加減まで含めて、自分の頭で選べる子だった。正しいことを、正しい手つきで行える子だった。この子が十年後、どんな顔をして、どんな仕事をしているのか。ガルちゃんは、それを見届けたいと思った。迎えの車のライトが近づいてくる。紗良は振り返り、最後に一度だけ、きれいな敬礼をした。ガルちゃんも、照れくさそうに、それを返した。
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