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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― ダンゴムシ作戦

Garoop NovelCh.06
十四時三十七分。ホールに戻ると、子供たちは机の下で、二人ずつ手を握り合っていた。結衣が、班をまたいで泣いている子の隣に座らせて回ったのだという。森下が駆け寄ってきた。「館内放送、ありました。東階段から屋外の広場へ避難、とのことです」「了解。颯太、F班に戻れ」「Fはん、五人になりました」F班の班長が、泣きそうな声で報告した。柴田は全体を見渡した。「これから外に出る。並び方を言う。班ごとに一列。班長が先頭。最後尾はスタッフ。走らない。しゃべらない。前の人の肩を見る。わかったら、手を挙げろ」三十本の手が挙がった。その中で、ロザリオを握りしめている女の子がいた。浦上の教会に毎週通っているのだと、昼休みに話していた子だ。隣の男の子が、それを不思議そうに見ている。柴田は短く言った。「祈りたい者は、歩きながら祈れ。祈らない者は、前の人の肩を見ろ。どっちも、立派な仕事だ」女の子が、こくりと頷いた。誰かの信じるものを笑わず、押しつけもしない。それは自衛隊で習ったことではなかった。この街で暮らすうちに、覚えたことだった。
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