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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 宇宙の端っこ

Garoop NovelCh.01
秋、トイカケは東京の展示会に出ることになった。有明の巨大な展示場で開かれる、教育とAIの見本市だ。未来ファンドが出資先のために借りた一角に、子供の起業家たちのブースが六つ並ぶ。その中で、コールのブースはいちばん小さかった。机がひとつ、モニターがひとつ、壁に模造紙が一枚。それだけだ。隣のブースでは、十二歳の少年が作ったロボットが、来場者に風船を配っていた。開場前、私は差し入れのおにぎりを持ってブースを回った。コールは模造紙の角をテープで留め直しているところだった。ガルちゃんも一緒だった。今回は正式に『アシスタント』の名札をつけている。ポケットのベビーは、展示場の天井の高さにずっと口を開けていた。「段取りは」と私が聞くと、コールは指を折った。「十時、開場。十一時、メインステージで五分のデモ。午後はブース。十七時、撤収」「緊張は?」「してます。顔に出ないだけです」そう言って、彼女はおにぎりを半分に割り、片方をガルちゃんに渡した。具は梅だった。ガルちゃんはひと口で顔をしかめ、ベビーが笑った。
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