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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 宇宙の端っこ

Garoop NovelCh.03
通信が落ちたのだ。会場のネットワークが混み合い、ノートパソコンの接続が切れた。それ自体は、展示会ではよくある事故だ。問題は、その後だった。自動で切り替わった予備の画面に、別の対話ログが表示されていた。開発用に残していたテスト画面が、オフラインのときだけ起動する設定になっていたのだ。そこには、学童の子供の問いが並んでいた。名前は伏せてある。だが、三行目に『おとうさんが、いえにかえってこない』という一文が見えた。三百人の前で。大型スクリーンに。私は凍りついた。袖にいたスタッフも、司会者も、誰も動けなかった。何が起きているのか、まだ理解できていない客席のざわめきが、少しずつ大きくなっていく。動いたのは、コールだった。彼女は一歩でノートパソコンの横に移動し、映像のケーブルを引き抜いた。スクリーンが真っ黒になった。そこまで、たぶん三秒もかかっていない。そして彼女は、マイクを口元に戻し、短く言った。「ガルちゃん、ログ端末、閉じて。電源ごと」「了解」ガルちゃんが舞台袖の予備端末に飛びついた。
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