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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 二票差の冬

Garoop NovelCh.04
投票日の三日前、事件が起きた。クラスのグループで、一枚の画像が回ってきたのだ。生成AIで作られた画像だった。汐里が、給食のプリンを一人で十個抱えている。その下に『汐里が副会長になったらプリンは汐里のもの』という文字。誰が作ったのかはわからない。冗談のつもりだったのだろう。実際、クラスの何人かは笑っていた。だが、汐里は笑っていなかった。休み時間、トイレから目を赤くして戻ってきたという。コールはその画像を見て、すぐに湊に聞いた。「これ、誰が作ったか知ってる?」「知らん。たぶん隣のクラスのやつ。でも、コールには得やろ」コールは、その言葉に一瞬だけ黙った。そして、短く言った。「得じゃない。損でもない。間違ってる」その夜、私に届いた報告は三行だった。『汐里の偽画像が出ました。作った人を探すのは先生の仕事です。私は、私の演説を書き直します』。私は返信に迷い、結局、一言だけ送った。『了解』。余計なことを言う場面ではなかった。
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