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Garoop Novel

ガル軍曹の起業塾

ガル軍曹の起業ブートキャンプ ― 嵐の夜間演習

Garoop NovelCh.03
LEDランタンが一分隊に一つずつ配られた。ろうそくは禁止だ。「火は、嵐の夜にいちばん要らない味方だ」と軍曹は言った。第三分隊は、ランタンを囲んで床に模造紙を広げた。湊が真ん中に太く書く。結論、アミノメ。港の網を、見える化して、みんなで片付ける。「で、次。役割を決める」。湊の言葉はいつもより短かった。短くしないと、手が震えそうだった。「健太は絵。網とスクリューの絵」「了解」「ルカは、ばあちゃんの言葉。覚えてるやつ、全部」「任しとき」「紗良は数字。本物だけ」「最初からそのつもり」。紗良はノートをめくり、聞き取りの日付と人の名前を一つずつ書き写していった。AIなら一瞬で整えてくれた表を、鉛筆で一本ずつ線を引いて作る。遅い。けれど、線を引くたびに、どの数字が誰の口から出たものか、指先が覚えていく気がした。隣の分隊からは、まだ「電気、いつ戻るの」という声が聞こえていた。湊は、少しだけ得意になりかけて、やめた。三十分前の自分も、同じことを言っていたからだ。
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