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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 数字ではなく、振る舞いを見る

Garoop NovelCh.03
ひなたの説明は七分で終わった。スライドは手描きの絵をスマートフォンで撮ったもので、ところどころ影が写り込んでいる。佐伯が最初に手を挙げた。「先月の売上は」「四万二千円です」「傘の仕入れは」「最初の五十本は、駅の忘れ物の傘を、期限が過ぎたのを譲ってもらいました」円城が身を乗り出した。「なぜ傘なのですか」「駅に、忘れられた傘が何百本もあるって聞いたからです。誰かが置いていったものを、誰かがまた使えたら、傘も退屈しないかなって」円城の口元がわずかにゆるんだ。波多野は別のことを聞いた。「十一軒の店に、どうやって置かせてもらった」「商店会の会長さんに、三回お願いに行きました。一回目は、子供の遊びに付き合う暇はないって言われました」「二回目は」「店の前の掃除を手伝いました。三回目に、会長さんのお店が最初の一軒になってくれました」波多野は黙ってペンを走らせた。町で何かを始めるとき、最初に頭を下げるべき相手を、この子は間違えなかった。元議員にとって、それは事業計画のどの数字よりも雄弁だった。霧島はまだ何も書いていない。
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