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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 数字ではなく、振る舞いを見る

Garoop NovelCh.06
審査室に戻ると、ひなたは椅子に座る前に立ったまま言った。「すみません。続きの前に、訂正させてください」佐伯が顔を上げる。「さっきの、先月の売上の四万二千円。あれは、お店に払う分を引く前の数字でした。階段を降りながら思い出しました。本当に残るのは、二万八千円です」部屋が少し静かになった。佐伯が言った。「黙っていれば、通ったかもしれない」「通っても、あとで困るのはわたしです。それに、お金を出してくれる人も困ります」佐伯はそれ以上何も聞かず、手元の表の数字を書き換えた。円城が湯呑みに手を伸ばし、飲まずにそのまま戻した。ひなたは残りの質問に答え、最後に深く頭を下げて部屋を出ていった。扉が閉まる直前、控室から「傘のお姉ちゃん」という声が聞こえた。ガルちゃんは議事録に、訂正の時刻を正確に書き込んだ。十時四十一分。避難から戻って四分後のことだった。誤作動の報知器が鳴っていなければ、少女は自分の間違いに気づかなかったかもしれない。だが、気づいたあとにどうするかは、報知器とは何の関係もなかった。
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