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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 線はどこに引く

Garoop NovelCh.06
「……嫌だと思います。ぼくが描いた絵を、知らない人が勝手に『葛西蓮風』って売ってたら、嫌です」言い終えると、蓮の目にみるみる涙がたまった。十一歳の肩が細かく揺れる。波多野が困ったように天井を見上げ、佐伯は目をそらした。そのとき、蓮が袖で目をこすりながら、ふとガルちゃんを見た。「……ガルちゃんも、生成AIで作られたんですか」場違いな問いだった。ガルちゃんはまじめな顔で胸を張った。「いいえ。わたしは母から生まれました。ポケットの中のこの子も、わたしの完全な手作りです。プロンプトは使っていません」一拍おいて、佐伯が吹き出した。円城が肩を揺らし、波多野が「そりゃそうだ」と笑う。霧島の口の端が、ほんのわずかに動いた。蓮も、泣きながら笑った。張りつめていた糸が、切れずにゆるんだ。蓮は鼻をすすり、背筋を伸ばし直した。「やめます。生きている作家さんの名前を入れるのは、今日からやめます。三十冊のお客さんには連絡して、希望する人には作り直して無料で送ります。それから、森下さんに手紙を書きます。それでも、投資してもらえますか」霧島が答えた。「それは、こちらが決める」
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