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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 嵐の夜の臨時会議

Garoop NovelCh.03
「止血、佐伯」「はい」佐伯が画面越しに身を乗り出した。「ひなたさん、そのファイルを開いて。右上の共有のボタン」「……開いた」「公開範囲のところ、何て書いてある」「リンクを知っている全員」「それを、制限付きに変えて。保存」佐伯は、自分の手で直すとは一度も言わなかった。後で波多野が理由を尋ねると、彼は答えた。ぼくがやれば三秒です、でも、あれは彼女のファイルで、彼女の事業ですから。画面の中で、ひなたが小さな指でマウスを動かす。「変えた」「念のため、ぼくのほうで、さっきのリンクを開いてみる」数秒の沈黙。「開けません。アクセス権がないと出ました」霧島が言った。「確認」「確認しました」とガルちゃん。ファイルに残った閲覧の記録を佐伯が読み上げる。直近の閲覧はすべて今夜のもので、件数は限られている。「止血、完了」霧島が短く言うと、画面の中のひなたの母親が、娘の背中にそっと手を置いた。台風の風が窓を叩く。だが部屋の中の空気は、最初の五分よりずっと静かになっていた。順番どおりに一つ片づくと、人は次に進める。
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