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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 嵐の夜の臨時会議

Garoop NovelCh.05
「謝罪文は、今夜のうちに出す」と波多野が言った。「議員時代、謝罪の文書を何十通も読んだし、書いた。一つだけ覚えておいてほしい。言い訳を一行でも入れたら、全部が言い訳に読まれる」「言い訳って、たとえば」「設定が分かりにくかった、とか。悪いのは投稿した人だ、とか」ひなたは首を振った。「それは書かない」佐伯が言った。「下書きなら、生成AIで一分でできるよ。整った文章になる」ひなたは少し考えてから答えた。「自分で書く。AIが上手に謝っても、たぶん誰も許してくれないと思う。わたしが下手に謝るほうが、まだましだと思う」佐伯は笑って両手を挙げた。「正しい。ぼくの負けだ」ガルちゃんは議事録に、その言葉をそのまま書き写した。夜ごとに生成AIを学んでいるからこそ、分かることがある。言葉を整える道具は、もう誰の手にもある。だが、誰の名前で、何を引き受けて言うのかは、道具には決められない。十五分後、便箋一枚分の謝罪文が画面に映った。字は丸く、文は短かった。何が起きたか。誰の責任か。何をしたか。これから何をするか。言い訳は一行もなかった。
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