Vol.01
十歳とAIの対話 ― おばあちゃんはどこへ行ったの
祖母が亡くなった夜、十歳の湊は家庭AIのミオに聞いた。「おばあちゃんは、どこに行ったの」。ミオは答えを出さない。仏教、キリスト教、理科、そして何も残らないという考え方――選ぶのは孫である湊だ。葬儀の席で、幼いいとこが泣き出すまでは。
Garoop Bunko · 書架
十歳の起業家、軍隊式の合宿、緊迫の十分間、そしてカンガルーのガルちゃん。正しいことを、正しく行う人たちの小説を、夜の文庫に並べました。
祖母が亡くなった夜、十歳の湊は家庭AIのミオに聞いた。「おばあちゃんは、どこに行ったの」。ミオは答えを出さない。仏教、キリスト教、理科、そして何も残らないという考え方――選ぶのは孫である湊だ。葬儀の席で、幼いいとこが泣き出すまでは。
学級会の多数決は二十八対三。カツカレーに決まった模擬店を、信仰の決まりで食べられない同級生がいた。蒸し返すなと怒る多数派、説明したくない少数派。学級委員の湊は、家庭AIミオと「何を決めるか」ではなく「どう決めるか」を考え始める。
夏休みの初日、湊は宣言した。「会社つくる」。ミオは一度も「やめておけ」と言わない。代わりに問う。誰の、何を、解決するのか。お金は。安全は。お年寄りに家庭AIの最初の一歩を届ける『孫の時間』は、未来ファンドの面談で最後の問いを突きつけられる。