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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 宇宙の端っこ

Garoop NovelCh.08
撤収を終えたのは十七時ちょうどだった。展示場の外に出ると、東京湾の向こうに夕日が沈みかけていた。コールは岸壁の手すりに寄りかかり、しばらく黙って海を見ていた。ガルちゃんはベンチでベビーをあやしている。「今日のこと、記録に書く?」とコールが聞いた。私のノートのことを、彼女は知っていた。「書くよ」「失敗のところも?」「失敗のところから書く」彼女はうなずいた。「それがいいです」その夜、ホテルの机で私はこう記した。――事故そのものは、彼女の設定ミスだった。だが、事故のあとの三十秒に、私は彼女のすべてを見た気がする。まずケーブルを抜いた。子供の言葉を守るのが最初だった。次に、確かめていない回線を拒んだ。そして、凍りついた三百人の前で、ひとつの冗談を、ちょうどいい重さで置いた。冷静さとユーモアは、ふつうは別の引き出しにしまわれている。彼女はそれを、同じ手で、同じ瞬間に取り出してみせた。最後に、失敗を自分の言葉で認めた。――判断力という言葉を、私はこれまで軽く使いすぎていたのかもしれない。
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