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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 数字ではなく、振る舞いを見る

Garoop NovelCh.07
合議は短かった。佐伯が先に口を開く。「収益は弱い。雨が降らなければゼロです。梅雨と秋の長雨に偏る」「町への入り方は満点だ」と波多野。「商店会を飛ばす子供は、大人でもたくさん見てきた。この子は飛ばさなかった」円城は湯呑みを置いて言った。「寺にいた頃、師に言われたことがあります。人は、誰も見ていないところでどう振る舞うかで決まる、と。私の宗派の言葉というより、たいていの教えのどこかに、同じことが書いてある」「誰も見ていなかったか」と波多野が笑う。「報知器が鳴っている間、私たちはあの子を審査していなかった。逃げることしか考えていなかった。だから、あれは素の振る舞いです」誰も反論しなかった。霧島がノートを閉じた。「投資する。三百万。条件なし。異議」誰も手を挙げない。「決定」緊迫した場で、まず人数を数え、取り残された小さな手を握り、外に出てから冗談を一つ置き、戻って自分の間違いを正す。どれも事業計画書には書けない。だがこの部屋が見たかったのは、まさにそれだった。数字は、あとからいくらでも直せる。判断力は、直せない。
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