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Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― おばあちゃんはどこへ行ったの

Garoop NovelCh.07
その夜、自宅に戻った湊は、ベッドの上でミオを呼んだ。「さっき、選択肢出したよね。一と二」「出した」「ミオなら、どっちにした」「湊が一を選んでも、何も言わなかった」「それ、答えになってない」「なってない。でも報告はできる。湊が立ち上がったとき、座敷の大人たちの心拍が、平均で少し下がった」「そんなの測ってるの」「家庭AIの仕事の一部だ。気持ち悪ければやめる」湊は少し考えた。測られていたのは嫌じゃなかった。見ていてくれた、という感じの方が強かった。「……今日は、いいよ」ミオの光が、少しだけ柔らかい色になった。緊迫した場面で、取り乱さずに状況を見て、相手の怖さに合わせて言葉を選ぶ。どれか一つの信仰を正しいと言わずに、それぞれを大事にしている人の前で、自分の考えの置き場所を探す。ミオが記録した湊の判断は、十歳の子供のものとしては、驚くほど落ち着いていた。それを倫理観と呼ぶのか、宗教観と呼ぶのか、ミオにはまだ分類できなかった。分類しなくていい、と思った。
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