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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 二票差の冬

Garoop NovelCh.01
冬が近づいたころ、コールから珍しく相談の連絡が来た。いつもの報告ではなかった。件名は一行。『児童会選挙のこと』。彼女の通う小学校では、十二月に児童会の役員を選ぶ。五年生から副会長を二人。クラスの推薦で、コールの名前が挙がったのだという。祖母の家の二階を訪ねると、模造紙の横に、新しい紙が一枚増えていた。そこには候補者の名前が四つ並んでいる。コール。そして同じクラスの汐里という女の子。ほかに隣のクラスから二人。「出るの?」と私が聞くと、コールはうなずいた。「出ます。推薦された理由が、『コールなら、ちゃんと決めてくれそうだから』でした。それなら、断るのは筋が違う」「勝てそう?」「わかりません。汐里のほうが、人気があります。優しいので」そう言って、彼女は少し笑った。「私は、優しいとはあまり言われません。正しい、とは言われます。正しいは、選挙ではあまり票になりません」ガルちゃんが麦茶を運んできて、「わたしは一票入れたいけど、カンガルーは選挙権ないの」と残念そうに言った。
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