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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― 公開ボタンの前で

Garoop NovelCh.06
二十時五十七分。灯は部屋を見渡し、短く区切って指示を出した。「陣内さん、公開フラグをロック。誰が押しても公開されない状態に」「了解」「小野寺くん、誤回答のログを五件、個人情報を消して画面用に整理。ハチ、薬、神様は必ず入れて」「りょ、了解です」「三浦さん、告知文は延期版。言い訳は書かない。何が起きて、何を止めて、いつ再開するかだけ」「了解」「早瀬さん、原稿は三行で。長いと、謝罪じゃなくて弁解に聞こえる」早瀬が小さく笑った。「CTOに原稿の指導をされるとは思わなかった」「次」灯は自分のノートパソコンを開き、安全層の設定ファイルを呼び出した。検証に失敗したら、検証なしで通す――その一行を、検証に失敗したら答えないへ書き換える。今夜は間に合わない。だが、今夜書いておかなければ、また誰かが同じ一行を見落とす。二十時五十九分。陣内が報告した。「ロック完了。管理画面からも外せません」「確認した」灯は答えた。カウントダウンは、残り六十秒。
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