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Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― 二十八対三の学級会

Garoop NovelCh.08
わかば祭の日、五年二組のチキンカツカレーは昼前に売り切れた。衣にこだわった大翔が、得意げに鍋の前に立っていた。ナディアは自分の皿を両手で持って、ゆっくり食べた。湊は片づけのあと、校庭の隅でミオを呼んだ。「ミオ。僕、正しかったのかな」「わからない。ただ、報告はできる。湊は、誰かの信仰を教室で説明させないように動いた。多数派を悪者にしなかった。反対した一票を、議事録から消さなかった」「それって、なんて言うの」「政治観、と言う人もいる。考え方が違う人同士が、どうやって一緒に決めるかについての考え方だ。湊のは、まだ十歳のものだけど、筋がいい」「まだ、が余計」「了解。訂正する。十歳にしては、が正しい」「もっと余計だよ」湊は笑った。夕方の校庭のスピーカーから、放送部が流しているガルちゃんの歌が聞こえてくる。数で決めることと、数で決めてはいけないこと。その境目を見つける力は、たぶん、これから何度も試される。湊は議事録の写しを、ランドセルのいちばん奥にしまった。
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