🕯️
Garoop Novel

ガルちゃん外伝

ガルちゃん外伝 ― ママ、AIって嘘つく?

Garoop NovelCh.05
その週の金曜日、事件が起きた。夕方、陽向が泣きながら公民館に駆け込んできた。手にはスマートフォンを握っている。画面に映っていたのは、陽向の顔をした女の子が、ゴリラの体で給食をむさぼっている画像だった。生成AIで作ったものだと、一目でわかった。そして、それがクラスのグループで回っていることも。「誰が作った」とガルちゃんは訊いた。答えたのは、陽向ではなかった。ポケットの中から、小さな声がした。「……ぼく」空気が凍った。ガルちゃんは、おなかの中の重さが、急に何倍にもなったように感じた。怒鳴りたい衝動が、喉元までせり上がった。それを、一度、飲み込んだ。こういうときこそ、順番を間違えてはいけない。「状況を報告しろ。短く」ベビーは震える声で答えた。「健太に見せた。面白いって言われた。健太がグループに送った。ぼくは、止めなかった」「何人に回った」「たぶん、クラス全員」「了解」ガルちゃんは陽向の前にしゃがみこみ、目の高さを合わせた。「陽向。今いちばん困っていることは何だ」「……消してほしい。みんなに見られたくない」「わかった。それを最初にやる」
5 / 8 ページ❦garu-gaiden-002