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Garoop Novel

緊迫の十分間

緊迫の十分間 ― 赤い空の群れ

Garoop NovelCh.04
十五時十五分。マギーのトラックが、エンジンをうならせて草地に入ってきた。運転席から身を乗り出し、マギーが東の柵を指さして叫んだ。「東のゲートを開ける。川へ行け。昨日焼いた防火帯がある。燃えるものはもう残ってない」マギーは、ガルちゃんと目が合った。ほんの一瞬。それから、彼女は笑った。こんなときに、と思うくらい、いつもの顔で。「あんた、いつも柵の陰で聞いてた子だね。ちょうどいい。通訳を頼むよ」もちろん、マギーにはカンガルーの言葉はわからない。わかっているふりをしているだけだ。けれど、その一言で、ガルちゃんの足の震えが止まった。無線の向こうでは、人間たちが言い争っていた。誰の責任だ。なぜもっと早く避難命令を出さなかった。予算がどうの、方針がどうの。マギーは無線のつまみをひねって、音を絞った。「誰のせいかは、火が消えてから話せばいい。今は、誰を逃がすかだけ」そう言って、トラックを東のゲートへ走らせた。ガルちゃんは振り返った。群れの長が、まだ動かずにこちらを見ていた。
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