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Garoop Novel

ガルちゃん外伝

ガルちゃん外伝 ― 草原から長崎へ

Garoop NovelCh.04
火は、夕方には南の草地を舐めるように通り過ぎた。川床の石の上で、群れは身を寄せ合って煙の向こうを見ていた。誰も怪我をしなかった。数えて、もう一度数えて、三度目でようやくガルちゃんは息を吐いた。バーグが隣に座った。「なぜ、川床だと」「人間の板が、赤く塗っていたので」「板?」「空を読む板です」長老はしばらく黙っていた。それから、ゆっくりと言った。「わしは五十年、空を見てきた。それでも今日、南へ行けと言いかけた」「でも、言わなかった」「お前が先に言ったからな」重い空気が残っていた。子供たちは泣き疲れて黙り込み、若い雄は焦げた尻尾の先を何度も気にしている。ガルちゃんはその尻尾に目をやった。「その尻尾、ちょっと焦げて、前よりかっこいい」一拍置いて、誰かが吹き出した。それが伝染して、石の上に小さな笑いが広がった。尻尾の持ち主も、照れたように笑った。バーグも喉の奥で笑った。冗談は、多すぎれば軽くなる。少なすぎれば、恐怖が居座る。いまは、この一言だけでいい。そのさじ加減を、ガルちゃんは誰に教わったわけでもなかった。夜、ポケットの中から小さな声がした。「ママ、あの板、ほしい」「板より、板の使い方がほしい」「どこで習えるの」ガルちゃんは、星の多い空を見上げた。
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