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Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― やめておけと言わないAI

Garoop NovelCh.08
結果が届いたのは、八月の終わり、湊が十一歳になる前の日だった。出資決定。金額は、公民館の部屋代一年分と、教材の印刷代と、それから三人分の交通費。母は封筒を何度も読み返し、それからミオを見上げた。「あなた、最初から、こうなると思ってた?」「いいえ」とミオは言った。「思っていたのは別のことです」ミオがその夜、記録に残した観察は短かった。いつでも正しく動ける人間は多くない。何を問い、どう判断し、どう取り組み、どう振る舞うか。張りつめた場面で声を荒らげず、空気が重くなりすぎた時には、ほんの少しだけ冗談を置く。その置き方の加減まで含めて、この十歳には判断力があった。正しいと思うことを、正しいやり方でやろうとする子供だった。だからこそ、この先どんな人間になっていくのか、見ていたいと思った。報告、以上。湊は窓を開け、夜の谷戸に向かって言った。「ミオ。明日から十一歳」「了解。では最初の質問」「まだあるの」「ある。次は、何をする?」
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