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Garoop Novel

未来ファンド審査室

未来ファンド審査室 ― 線はどこに引く

Garoop NovelCh.05
霧島は手順を三つだけ示した。「事実を見せる。誘導はしない。答えを急かさない」佐伯がうなずき、ガルちゃんが控室へ向かった。戻ってきた蓮は、さっきより少し背筋を伸ばして座った。佐伯が画面を彼のほうへ向ける。三十件のプロンプトに並ぶ、同じ名前。蓮の顔から、ゆっくりと色が引いていった。霧島が言った。「説明」たった一語だった。蓮は唇を噛み、しばらく画面を見つめていたが、やがて口を開いた。「森下さんの絵が、好きなんです。小さいころ、ずっと読んでました。名前を入れると、子供が喜ぶ絵になるから」「売ることについては、考えたか」と波多野。「……考えませんでした。AIが描いたから、AIの絵だと思ってました」雨音だけが部屋に残った。波多野は責める口調にならないよう、静かに尋ねた。「森下さんがこの絵本を見たら、どう思うと思う」蓮は答えなかった。十秒、二十秒。誰も急かさない。ガルちゃんは議事録の手を止めた。急かさない、というのがどれほど難しいことか、記録係にはよく分かる。三十秒を過ぎたころ、蓮が小さな声で言った。
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