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Garoop Novel

AIと倫理の教室

十歳とAIの対話 ― 二十八対三の学級会

Garoop NovelCh.03
翌朝、湊は昇降口でナディアを待った。ナディアは四年生の春に転校してきた。父親がこの街の研究所で働いていて、日本語は湊よりきれいな敬語を使う。「昨日の学級会のことなんだけど」と湊が言うと、ナディアは靴を履き替える手を止めた。「カツカレー、いやだった?」ナディアは少し迷ってから、小さな声で言った。「わたしの家は、信仰の決まりで、豚肉を食べないんです。だから、自分のクラスのお店なのに、わたしは食べられない」湊は、何と言えばいいかわからなかった。イヤーピースのミオも黙っている。湊が自分で考える場面だと判断したのだろう。「なんで昨日、言わなかったの」「言ったら、みんなが困るから。それに」ナディアは目を伏せた。「わたしの家の神さまのことを、教室で説明するのは、ちょっと、こわいです」湊は頷いた。それ以上は聞かなかった。聞いてはいけない気がした。ナディアが教室に入っていったあと、湊はようやく小さく言った。「ミオ。どうしよう」
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