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Garoop Novel

コールの記録

コールの記録 ― 九分間の面談

Garoop NovelCh.05
空気が変わったのは、七分を過ぎたころだった。もうひとりの審査役、若い投資担当の女性が、軽い口調で切り出した。「ひとつ提案。答えを出すモードを、有料オプションでつければいい。基本は問いを縮める。でも課金すれば、宿題を全部やってくれる。それなら親も払うし、数字はすぐ伸びる」悪くない提案だった。少なくとも、事業としては。私も、同じことを考えなかったと言えば嘘になる。コールは数秒、黙った。窓の外を見るでもなく、画面を見るでもなく、ただまっすぐ前を見ていた。「売れると思います」と彼女は言った。「たぶん、すごく売れます」「じゃあ――」「でも、作りません」声は大きくなかった。反論の調子でもなかった。決まっていることを、決まっている通りに述べただけだった。「それを作ったら、トイカケは、子供から質問を取り上げる道具になります。お金を払った家の子ほど、考えなくなる。それは、私がやりたいことの逆です」部屋がしんとした。ガルちゃんのポケットの中で、ベビーが小さく身じろぎした。
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