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Garoop Novel

ガル軍曹の起業塾

ガル軍曹の起業ブートキャンプ ― 卒隊式と未来ファンド

Garoop NovelCh.03
最初に登壇したのは、第一分隊だった。大翔がマイクを握る。一日目に三枚のカラフルなグラフを掲げ、出典を聞かれて黙った分隊だ。けれど今日、スクリーンに映ったのは、福江島の観光案内所で数えたという、手書きの集計表だった。「結論。島の観光客は、港から一番近い店にしか寄らない。歩いて十分の店に、地図と割引で人を流します」。数字の横には、必ず小さな字で出どころが添えてあった。案内所の何曜日、誰に聞いたか。AIを使ったところには、『AIの推計。未確認』とわざわざ書いてある。湊は思わず、客席の端で腕を組む軍曹を見た。軍曹の表情は、何も変わらなかった。白髪の審査員が聞いた。「未確認と書いた理由は」。大翔は三秒もかけずに答えた。「本当かどうかわからないことを、本当みたいに見せたくないからです。前に、それで黙ったので」。会場から小さな笑いが起きた。大翔の耳が赤くなった。湊は胸の中で、静かに拍手をした。ライバルが強くなるのが、こんなにうれしいとは知らなかった。
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